医療の質向上の鍵になる診療看護師

診療看護師(Japanese Nurse Practitioner)とは、医師からの「具体的指示(直接指示)」によって患者への相対的医療行為や手順書によって特定行為を実施できる看護師だ。
特定行為は、基本的に医療行為の補助だ。厚生労働省のホームページによると、人工呼吸器からの離脱や一時的ペースメーカの操作及び管理など、「実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる」38の行為が例示されている。

学院の修士課程で医学知識や初期医療に関する実践を詳しく学び、疾患に対する基礎知識や治療内容などの知識も身につけた専門性の高い診療看護師は一般の看護師よりも高度な医療行為が可能なスキルを持っている。そのため、従来の看護師よりも高度な責任のある仕事を任される立場にある。
看護職でありながら、医師により近い立場で医療に関われるのが魅力だ。専門性の高さから、実戦経験も知識も同時に求められる。
診療看護師になるには、5年以上の看護師経験、指定された大学院卒業、日本NP大学院協議会のNP認定試験に合格などの条件がある。

医療には、医師や看護師のほかに患者やその家族まで多くの人が関わってくる。そのため患者中心の医療を行うためには専門的な医療知識を持ち、都度アドバイスできる専門家たちの存在が必要不可欠だ。
的確な治療方針を提案できる医師や看護師の存在が多ければ多いほど患者の満足度アップにつながる。診療看護師の数が増えれば、医療の質の向上につながるだろう。